編入試験記録

高専生向けに編入試験に関する情報を残すために作りました.自分が受験した学校についてと利用した書籍についてなど記すつもりです.2017.09.07

東京工業大学H30編入試験の記録

 自分が受験したのは平成29年の8月22日と23日だが募集要項に平成30年度とでっかく書いてあるから,そういうものだと思ってタイトルを上のようにした.

 以下について記す.

自分が利用した編入試験の記録を参考にこの内容とした.

 なぜこの記事を書くか

 この項目は 興味のない人が大半と思うが,書く必要はあると自分が決めた.

 理由は自分が編入試験の記録を漁る中で,合格という結果が出た後の人による記録が多かったと感じたことである.これは不合格者の記録は目を通すに値しないと考える人が大勢いることによる淘汰の結果か,不合格者による記録の絶対数が小さいということによっているのか自分にはわからない.というよりどちらか白黒つくような話ではない気がする.どちらにせよ記録に多様性があればと思い,

  • 合格者発表以前に記された
  • 不合格者によって記された

という2点で既にインターネットに存在する受験記録と違いがある(2018.1.13修正)2点目は誤り.詳しくは更新しなさすぎて広告が出たので弁解など - 編入試験記録と考え,この記事を書くことに決めた.人の記憶はそれほど確かではないと思うから,合格という結果がでてさらに数か月経過した人と結果が出る前の人とでは書く目線が違うと願っている.

 "合格者発表以前"に"不合格者"が記すとは完全に矛盾している.これについては自分が受験した感触としてまるでだめだったから,だけでは誇大広告となってしまう.しかし合格者発表後も感想編のような形でもうひとつ記事を書くことで不合格者が残した記録という事実が完全なものとなるであろう.(2018.1.13修正)既にこの記事に価値がほとんど見いだせない上に,当初の予定と状況が変わっていることもあり,感想編を書くのはやめた.

 感想編に対してこちらは事実編とでもおき,なるべく自分の感想ではなく結果や事実を記すように心がける.自分の感想またはあまりに不確かだな,と感じる部分はこのように目立たせることとする.

 編入試験の対策を始める前の様子

 席次は1から4年まで一桁に収まっていた.授業はだいたい真面目に聞き,部活動などにも所属しておらず無趣味で時間は腐るほどあったはずだから定期試験前に勉強をする,試験がなければ寝るか遊ぶといった生活をしていた.高専に入学する時点でセンター試験を受けずに大学に行けるらしいから身の丈に合わぬほど立派な大学に滑り込めるかなと淡すぎる期待をしていた.

 編入試験に役立ちそうということで3年から4年前期の期間にTOEICを計3度受験し最終的に800点を超えたところでやめる.

 4年になりアルバイトを始めるが授業が意外に濃密で生きるので精一杯の日々.いちおう対策とみなせそうな事として,4年の夏休みに"理系なら知っておきたい化学の基本ノート[有機化学編]"を読み,思うところをノートに書く作業をしていた.

この時点で数年分の過去問を適当に見たことがあった.適当に見た,というより真面目に見ても問題の意味,分野がわからなかった.

 対策をしている最中の様子

 4年夏休みの化学の基本ノート以来バイトと授業などの波状攻撃により,対策らしい対策はほぼせぬまま4年の春休みを迎える.4年冬休みの記憶はない.いちおう年明けとともにアルバイトをやめた.

 4年の後期では"理系なら知っておきたい化学の基本ノート[物理化学編]"に対し[有機化学編]でやったことと同じようなことをした程度だった.偏微分,重積分は4年後期の授業で扱われ,編入試験に出題されることもあり真面目に勉強していた.

4年春休み直前

学校の最後で最大のタスクが終了してから,"編入の線形代数徹底研究(桜井著)"に取り組む.問題をノートに解いていく.

4年春休み

 線形代数の続き.一通り終えた後に,"基礎物理学演習(後藤,小早川,國友共編)"という青い本に取り組む.連続体はほぼ手を付けずに初めから順に解いていった.電磁気の途中で春休み終了

5年4月

 "化学の新研究(卜部著)"を適当に読む.基礎物理学の電磁気の続きと並行して"演習物理化学(渡辺著)"に取り組む.ノートに解くが,とても難しく感じたことと,異常な量の誤植によって8章を終えたところで挫折.どうやらこの書籍は物理化学というピンク色の本に対応する演習書のようなものらしく,化学の素人である自分がいきなり活用できるようなものではなかった.

  下旬に"演習有機化学(杉森著)"に手を付ける.このあたりで電子求引だの供与だのを知る.15章までノートに解いた.その先は適当に目を通した.

5月

 中旬に演習有機化学をやめる.自分は専攻科を受験したからこれの対策も兼ねて"編入数学徹底研究(桜井著)"に取り組む.専攻科の対策のつもりで始めたが,東工大の出題範囲に関わるものを解いていたおぼえがある.専攻科については過去の試験問題も豊富にあったからこれらでも対策していた.さらに"大学編入のための数学問題集(碓氷他共著)"にも手を出すが適当に選んだ問題を少量解くにとどまった.

6月

 下旬まで編入数学徹底研究に取り組んでいた.また,同じ科から東工大を受験した友人から"マクマリー有機化学概説第6版"を借りて読んではノートに解いた.11章までの全ての問題を解いた.自分は農工大を受験したから農工大の過去の試験問題を解いた.

7月

 上旬に"演習力学(今井他共著)"の5章までノートに解いた.演習力学をやめるあたりに"基礎物理学演習I(永田編)"の力学1,2章,熱学をノートに解いた.またこれに並行して演習物理化学に手を出すがこのときに自分にこの書籍は適していないと気付き少し解いた後に放棄する.

 この頃に化学系の学科の友人から"アトキンス物理化学要論第5版"を借りて読んだ.問題は一つも解かなかった.過去の試験問題でわからなかったことがらをこの書籍で調べるといった使い方をした.

 下旬に"電磁気学演習(山村,北川共著)"の4-2までノートに解いた.重要と判断した問題は複数回解くようにした.

8月

 波動の対策に"物理のエッセンス力学・波動(浜島著)","名問の森力学・波動(浜島著)"に目を通した.どちらも大学受験をする高校生向けの書籍であり物理のエッセンスの方は教科書のような形式だった.物理のエッセンスに目を通したあと名問の森の波動の問題をノートに解いた.

 "編入数学過去問特訓(桜井著)"にある東工大の問題とそれに似た問題のみをノートに解いた.これと並行して電磁気学演習を再びノートに解いた.

  "橋爪のこれだけで合格!有機化学25題","橋爪のこれだけで合格!無機化学15題"をノートに解いた.有機化学は糖やアミノ酸の内容は目を通した程度でやめた.

 同じ科から東工大を受験した友人と過去の試験問題をといたものを共有する作業を始めた.英語を除く問題を解き,Dropboxにアップロードし互いに回答を確認した.

 お宿など

 ホテルルートイン品川大井町に前泊を含めて2泊した.7月4週に予約したから,喫煙可の部屋であった.意外に部屋の照明が暗かったから,サンマルクカフェ阪急大井町ガーデン店で電磁気,無機化学などを解いた.

 一泊目の夜は近くにあったサブウェイのローストチキン,二泊目の夜は近くにあったセブンイレブンのおにぎりとサラダチキンを食べた.昼は二回ともセブンイレブンのパンなどを食べた.朝食付きだったから朝はホテルで食べた.

 試験の初日は私服,二日目はスーツで受験した.試験の二日目はホテルに大きい荷物を置かせてもらい,試験が終わってから受け取り,トイレで着替えさせてもらい東京駅から新幹線で帰った.時季からしてスーツの上着を着た人は移動中には見なかったが,会場の受験者はほとんど全員が上着を持っていた.年にもよると考えられるが二日目は上着を持っている人が多数派であった.